2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年印象に残った本

もう2014年も大晦日か…という印象が否めないのだが、今年も色々な本を買った(読んだわけではない)。おもしろい本、くだらない本など色々とあったが、特にその中でも読み通し、かつ印象に残った本を並べてみた。こう見ると新書が多くなってしまったが、もう…

篤実な研究案内―『「大西洋の戦い」文献ガイド―通史的理解のための16冊』(RNVR花組)

本書は題名にあるとおり、第二次世界大戦中の「大西洋の戦い」を扱った書籍の文献ガイドであり、この分野における英語圏の最新研究状況を追った、貴重な研究案内となっている。 本書の特徴は、ただ漠然と関連書籍を並べて内容を説明した本ではなく、著者であ…

戦史研究の現在―大木毅『ルビコンを渡った男たち 大木毅戦史エッセイ集2』

数か月前、著者の戦史エッセイ集『明断と誤断』の紹介を掲載したが、同じくシミュレーションゲーム専門誌に掲載されたエッセイをまとめた第二弾が発表された。 目次は「戦史無駄ばなし」と題された五編を除くと、いずれも第二次世界大戦中の戦史を扱ったもの…

「黒子のバスケ」被告人意見陳述に端を発する雑感

「黒子のバスケ」脅迫事件の初公判で、被告人の読み上げた冒頭意見陳述全文(リンク1・リンク2)がインターネット上で評判になったが、これを読んでしばらくして、私は下記のようなツイートをした。某意見陳述、くりかえされる自己の行動へのツッコミ、いか…

戦史研究の手つき―大木毅『明断と誤断 大木毅戦史エッセイ集』

著者である大木毅氏はナチス政権期のドイツ外交史を専攻した研究者であり、「赤城毅」のペンネームで活躍中の作家でもある。また著者は学生の頃よりシミュレーションゲーム専門誌にドイツに関する戦史記事を寄稿し、歴史専門誌『歴史と人物』(中央公論社)…